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1.なぜ老年期の準備は退職後からでも遅くないのか? |
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退職して年金も受給。これで老後の準備は万全? |
もちろん、とりあえずはひと安心して良いのですけど、ふと冷静に考えてみると、いろいろ気がかりな点が頭をもたげてくるものです。 |
介護は?今後の医療や年金の給付は?不況が続いたら? |
とは言っても、収入も無くなり、今さらどうしようもない! |
そこで最初に、 “ 老後の準備 ” の意味を考えなおしてみることにより、今からでも間に合う本当の老いへの準備について、そのポイントを整理してみたいと思います。 |
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老後の準備は退職時までに終えていることが理想ですが、なかなかそうはいかないのが現実です。住宅ロ−ンや子供の学費に追われて、夫婦の老後の備えは、後手に回りがちです。収入の多い方であっても、結局は支出の額も多く、収支のバランスをとる中で、なかなか本当に安心でき るだけの老後の備えに対応できなかったというのが実情でしょう。 |
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また生命保険が満期になって、その特約として加入していた医療保険も終了し、気がつくと老年になってからの医療保険がなくなっていた、という事態も生じています。 |
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このように、多くの人にとって、老後生活への準備はけっして十分な状況にあるわけではありません。こうした事情から、退職後から始める、あるいは退職後に見直す老年期準備の必要性が浮かび上がってきます。 |
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しかしじつは、それだけではなく、もう1つ退職後に老後生活の準備を見直すべき重要な理由があるのです。 |
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ファイナンシャルプランナ−のライフプランニング・リタイアメントプランニングのテキストで、よく出てくる老後設計のイメ−ジは、次のようなものです。 |
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基本生活費は別として、退職後の大きな支出は、夫婦そろっての毎年の海外旅行と、住宅のバリアフリ−改修工事。そのためにいかにマネ−プランを準備するか。 |
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えっ!退職後のライフビジョンって、海外旅行とバリアフリ−だけなの? |
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ここに退職してから老後生活を見直す必要の生じる、本当の理由が出てきます。老後生活を準備するといっても、そもそも退職後の生活、本当に老いてからの生活ビジョンが明確になっていないのです。具体的な老後の生活像、生活理想がなくて、どうして本当にそのための準備を進める ことができるのでしょうか。 |
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そこで仕方なく、よくわからないままに、とりあえず長生きリスクに備えて、お金の準備だけを手当てしておく。それが現在の老後準備の現状ではないでしょうか。 |
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ではどうして、老後生活のビジョンが不明確なのでしょうか。じつはそこには、歴史的にも大きな課題が、原因として横たわっているのです。 |
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近代産業社会が幕開けて以降、価値の中心は、富を生み出す生産活動に移ってきます。従ってその裏返しとして、労働価値の無くなった “老人” は、価値のない存在、単に社会の負担になる存在としてしか見なされかねない風潮が出てきます。その結果、 |
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長生きは、本来の祝福されるべき出来事から、大きなリスクへ! |
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老年期は、古(いにしえ)の時代とは異なり、近現代においては切捨てられ、お邪魔な存在へと貶(おとし)められてきたのです。それゆえに、積極的な意味と価値をもって老後生活を思い描くことが困難となり、老後の生活ビジョンが空白という事態が、生じてくることとなってきたのです。 |
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そこで仕方なく、よくわからないままに、とりあえず長生きリスクに備えて、お金の準備だけを手当てしておく。それが現在の老後準備の現状ではないでしょうか。 |
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そこでこのサイトでは、老後生活の準備を考える手始めとして、まず、退職後の高齢期・老年期の生き方理想を、問い直してみることから始めてみたいと思います。 |
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でも、そんなことが簡単にできるの? |
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たしかに簡単ではありません。それが出来れば、人間の人生価値、そして生き方理想や社会ヴィジョンも変わって、時代も変わる? |
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そこであまり難しく考えないで、現在渋谷区幡ヶ谷近隣地域で、様々な取り組みに従事していらっしゃる高齢期・老年期の皆さんが、今どのような生活ビジョンを思い描いていらっしゃるのか。その共通領域を了解して取り出すことによって、高齢期・老年期の生き方理想を、次の章からイメ− ジアップしていってみたいと思います。 |
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